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コタロウに限らず忍には「自分」がなく、あってはいけない。
地位の低い彼らは所詮駒であり、「人」ではない。
生き死にが当たり前の時代では誰の命も軽く、その中でも忍は特に軽いとされる。
メンツが大事な武士とは異なり、勝てばなんでもアリの忍は美学のない下等な者たちと見られるからだ。
現実でも、じーさんばーさん世代は兄弟全員が大人になることが珍しく、何人兄弟だったか覚えていない人もいるくらい、一つの命がとても軽い。
一人ひとりの命や権利を尊ぶことができるのは、恵まれた世である証拠。
独神に「好き」と告白された場合、
割と受け入れるのがハンゾ・モモチ・サイゾウ。
ずっと疑うのがコタ。
長い間諫めて折れるのがサスケ。
この違いは性格だけでなく、流派も関係する。
伊賀甲賀は、裏社会での地位が高い。
これは彼らの居住地が山奥で権力者の支配を逃れており、自分たちで自治運営を行っているために、武力や武器をしこたま貯め込んでいる。要するに政治的に強い。
忍のくせに、諸外国と交渉できるだけの力を持っているのである。
一方風魔はというと、北条氏の支配下にある土地に住む小さな集落であり、お上に振り回されるのが当たり前。
忍集団としても、素行が悪い者の集まりなので、北条氏を失った後の末路は言わずもがな。
彼らは「自分は忍だから……」と度々言うが、重みが全然違う。自己評価はコタが一番低い。
何かあっても独神を守りきれるか判らない、先行きが不安な風魔。
とはいっても、支配され慣れているのが忍たち。
忍の祖であるモモチだけは飼い犬根性が骨の髄まで染まっていないので、支配側にも回れる。(参考モモチの親愛台詞)
独神への気持ちは信仰。
好き、よりも儚くて、強い。
オオタケマル長編で、コタロウだけが独神の周囲をウロチョロしているのも、独神の存在を己の中心に置きすぎて、彼女なしではいられないから。
これは私のバンケツ小説において共通の設定。
英傑と付き合った独神に、ギャースカ言って、武力行使もしてくるのは大体コタ。
忍と付き合うもんじゃないとうるさく言ってくるのもコタ。(参考作品『目に映る色形』ハンゾウ夢)
他の忍よりも「こうあってくれ」という要求が強い。ありのままの相手を受け入れる器はない。対独神において。
付き合ったら付き合ったらで「本当に自分を?」「(僕が嫌いな)僕を好きになる独神ちゃん趣味悪すぎ」となるめんどくせーーーー奴。(参考作品『偶像崇拝』クリスマス小話のコタ)
コタが幸せになるには、独神を選ばない方が良い気がする。
BLとかフウジンちゃん(神族)相手の方が良い。
独神は沼すぎる(独神に過失はない)
細胞から造りが違うとか思ってそうで。高嶺の花扱いが過ぎる。その花宇宙にあるやんけ。
ゲーム内の独神(英傑伝承や英傑の親愛台詞から想像するに)馬鹿みたいに平和主義で、きっと仲間の一人一人を大切にする。
危機的状況でも、「もう無理だ」「出来っこない」と周囲が口々に言う中、「出来る」と言い切る強さがある。
その気迫に感化されて、周りが頑張る。 周 り が 。
普通のお話なら英傑が一致団結した結果成功! となりますが、私はそうならないルートも平気で書きます。
本作は頑張ってもどうにもならなかった世界線。
主君である以上、トロッコ問題を突き付けられれば、多数を生かさなければならず、己の気持ちには従えない。
彼女は八百万界の駒。
コタロウと同様、使われる側。
でも魂の質が違う。コタは下の下で、独神は上級。と、コタロウは定義している。
神族より神様扱いしている。独神信奉者。強火担。
そんな彼が、独神を抱く暴挙に走ったのは、生き物が当たり前に持っている生への執着が全面的に出た結果。
コタロウの「人」としての叫び。
自分を忘れないで。
一番大切な君に。ずっと覚えていてもらいたい。
そのために手段を選ばず、独神を傷つけることもするし、傷つきにも行く。
身体を割り開いたのは自分のくせに、自分如きに穢されてくれるな、などと相反する気持ちを持つ。
独神はコタロウにとって、絶対的唯一無二の神。
彼の行動は褒められたものではないけれど、独神への好意は純粋なものだった。
愛し方を知らないコタロウが手探りで見出していけたのは、それだけ独神に愛情を抱いていたから。
フツーの人から見たら当たり前の行動も、コタロウにとっては当たり前ではなく、特別なこと。
ただ他人を好きになった、以上の重みがあるのがコタロウという男。
独神の意思が介在できないようにしたのは、臆病さも原因だったり。
拒否されたくないことから、支配的に振る舞って優位に立って、独神を思い通りに動かしたい。
ちなみに独神がガチで嫌がっている時は、普通に傷ついている。
でも「しゃーないかー、忍だし」と、少しズレた感想を抱いている。
忍だから嫌なんじゃなくて、工程をすっ飛ばしていたり外濠埋めたり自己犠牲したり独神の感情無視なのが悪いんじゃい
独神がコタロウを受け入れている瞬間は、意味不明と思いつつ、だから独神なんだと納得もしている。
コタロウの不憫なところは、やっぱり主と忍が肉体関係を結ぶべきではないと心底思っているところ。
口では色々言っていても、ちゃんと立場を理解している。
『忍は人にはなれない』
人だけど。人として見られない。骨まで沁みついた価値観。
だから自分が独神が進む道の犠牲になることは、忍にとって最高の誉。
……自分で書いててアレですが、感情がパキッと分かれていなくて、常にグラデーションしていて語るのが難しいです。
最後の場面、障子越しに見えるのはコタロウです。
以前の記憶がない、コタロウ2号です。鶺鴒台か召喚台で生まれた二人目。
2号は忍として再び八百万界に生まれ、運命のように独神を好きになり、独神のために犠牲になる。
という、地獄サイクル。
2号は知らない。独神を初めて穢したのが自分であること。
2号は気付かない。独神にとってこの交渉は二度目であること。
2号は考えない。3号も同じ行動をすること。
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